2022年07月04日

シュタイドル シャコンヌ

YouTubeを徘徊していたら、パヴェル・シュタイドルさんのライブ配信のアーカイブを見つけました。

開始1時間くらいからバッハのシャコンヌが聞けます。



https://www.youtube.com/watch?v=XyLbp1kM4lw



この方ほど、ギターはオーケストラというのを体現したギタリストはいないと思います。

一つの曲の演奏で、役者が4人くらい出てきて台詞を言い合っているのがはっきりとイメージできるほど、音質やキャラクターの使い分けがはっきりしています(顔の表情の使い分けも)。



通常コントロールが失われがちなスル・ポンティチェロの音質が美しいのも、シュタイドルさんの演奏の特徴だと思います。
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2022年07月03日

GFAユース部門とギターの未来

YouTubeライブで2022 GFA IYC Finals - Junior Divisionを見ています。
(おそらくアーカイブ残るでしょう)



https://www.youtube.com/watch?v=YwyhDSPNOkE


先日行われたメインの方のセミファイナルでは、ゴリゴリの現代曲がたくさん出てきたので、クラシカルな曲がたくさん聞けてちょっと安心しました。


私が古い人間なのか、未だに無調の現代曲よりも、古典〜ロマン派くらいの調性がはっきりした音楽の方に安らぎを感じます。

現代曲は現代曲で、古い曲にはない緊張感や世界観が感じられて魅力的だと思うのですが、どちらかというと精神を落ち着かせるよりも掻き立てるようなものが多いように感じています。



別に古典の曲はいいなあということが言いたかったわけでもなく、このユース部門は14歳以下だとアナウンスで言っていた気がするのですが(リスニング苦手です)、皆さんとてつもない安定したテクニックをお持ちです。

若手のギタリストの技術がどんどん高くなっているのを感じますが、そのすさまじい技術を持つことが当たり前な時代が確実に来ているのだなあと実感しています。



決勝なので皆さん華やかで音数の多い曲を選曲されているのですが、速いテンポでも音が欠けることもなく鮮明に演奏していて、自分の中でのギターのイメージが書き換わりつつあります。


カナリオスなど弾かれていた時代にはギターは軽快に演奏されていたものと思いますが、多声的な音楽が主流になってからは、どちらかというとゆったりとした曲調で、音をどれだけ省いてシンプルな構成で勝負するかを重視する。その代わり、1音1音の音質を魅力的にしていくような、そんな傾向があったのではないかと思います。


それが、近現代にはギタリストのテクニックを超えたような曲がでてきて、それでも1音1音の魅力を失わないように演奏してきたギタリストがいて、しかし、もはや限られた超人的なテクニックを持った人だけが、そういった曲を演奏することができた。

そういう時代があったのではないかと。



現代は、1音1音よりも、曲全体としての流れやまとまりが重視されてきているのかなと思っていて、それによって、ギターの音楽は抒情的で感情を表に出したものから、作曲家が描いた絵を客観的に的確に表現するようなものに変化してきているのではないか。そのように思っています。

それは、音楽的につまらなくなったとも言えますし、一方で、不自然だった音のつながりや和声の流れが改善されて新たな可能性が開けたとも言え、良い悪いではなくギターで一般的に表現される音楽の方向性というものが変わってきているように思います。


そういう大きな時代の流れがありつつも、やはり「伝統的な音が良い」というような議論もあり、そういう音を追求しているギタリストを好む人も多いと思います。

今はまだ過渡期であり、そういう音をもともと好んでいた人が聴衆の大半を占めている状態ですが、今後50年もすれば聴衆の世代も入れ替わっていきますから、そのときどんな音楽が主流になるのだろうかと、未来に思いをはせています。



なんとなく、若い世代の演奏を聞いてそんなことを考えました。
posted by 管理人 at 01:50| Comment(0) | 鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月02日

GFA Guitar

GFAこと、Guitar Foundation of Americaというアメリカのギター団体があります。


そのコンクールがYouTubeチャンネルで公開されていまして、ちょうどセミファイナルが終わったところです。



https://www.youtube.com/user/gfavideo/videos

演奏のレベルが高すぎて、ギターって(誰でも)こんなに自在に弾ける楽器なんだなあと勘違いしてしまいそうになります。


Block 2bにマルコ・トプチィさんが出ていますが、「コンクールにこんな完成されたギタリストが出場してよいものなのか」と思ってしまいました。
posted by 管理人 at 00:53| Comment(0) | 鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月27日

鼻ハーモニクス

正式な名称はまだ存在していないのではないかと思いますが、鼻ハーモニクスというテクニックがあります。

通常左手の指で触れるハーモニクスポイントを、鼻で触るというものです。

私がこれを知ったのは斎藤優貴さんが『子供の領分』より『グラドゥスアドパルナッスム博士』を弾くのに使っているのを動画で見たときです。




近年使われ出した技術として、

・左手親指による押弦(握り込まず、他の指と同じ方向から)
・鼻ハーモニクス
・上唇による押弦

があります(私が知らないだけで、他にもあるかもしれません)。


上のものほど一般的になっていて、左手親指による押弦は当たり前に使われていると思います。


鼻ハーモニクスはそんなに実例は見たことがないのですが、近年のギターを立て気味にする構えだと無理がないテクニックなので、使っているギタリストが多数存在していても不思議はありあません。



私も試しにやってみたところ、6弦のハーモニクスであれば鳴らすのはそんなに難しくありません。

ただ、顔がこれだけ指板に接近すると左手を見ることができなくなるので、鼻ハーモニクスを使用中は左手を全く見ずに弾けるようにしておく必要があります。



先日の上唇ほどではありませんが、こちらも若干衛生面で気にならないかというと、個人的には少々気になります。

なんとなく、物を手で触られるのに比べて、顔で触られるのは抵抗がないでしょうか。

自分の楽器に自分で行うぶんには気になりませんが、人にやられても気にならない範囲のテクニックに収めておくべきなのではないか。と、思わないこともないです。
posted by 管理人 at 16:40| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

上唇で弦を押さえる奏法

クラシックギターで、上唇で弦を押さえる奏法があります。

(動画でですが)実際に使っているのを見たことのあるギタリストは二人。



その一人がMehrdad Mahdaviさんです。


YouTubeにアップされている、ラフマニノフの『鐘』の動画でこのテクニックが多用されています。



Rachmaninoff- Prelude in C# minor Op 3 No 2, Guitar(Lip and Nose techniques) - YouTube




ギターは普通、左手でフレットを押さえて音の高さを決める都合上、メロディーは上行してベースは下行するというような動きは苦手です。

左手の大きさには限りがありますから、メロディが1弦の12フレット付近まで高くなったとき、ベースで6弦の1フレット、2フレットの音を出すことはできません。

それが、唇を使うと可能になってしまうのですね。



ギターにはこの、左手のサイズの制約以外にもう一つ、6弦の開放よりも低い音が出せないという制約があります。

これも、唇が使えれば、理論上は容易に克服できてしまいます。

6弦をこれまでよりも低くチューニングして、極論6弦の押弦はすべて唇で行ってしまえばよいのですから。



果たしてこれが、音楽的な流れを損なわずにできるのかというのが大きな問題になりますが、ギターの表現の幅を大きく広げるテクニックであるのは間違いないと思います。

(個人的には衛生面がやや気になるのですが・・・)
ラベル: 表現
posted by 管理人 at 00:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする